英語が苦手な生徒の共通点~英語の苦手意識を克服する方法
英語の勉強と聞くと単語の暗記、文法問題に長文読解。
難しい、理解できない、聞きたくない。
というイメージはありませんか。
今まで個別指導で1000人以上の生徒と関わってきました。
英語が苦手だと思っている生徒にもたくさん出会ってきました。
そんな生徒たちにはいくつか共通点があります。
この記事ではその中の2つをご紹介します。
英語が苦手と漠然と思っていても、英語は苦手なままです。
英語が苦手な原因を把握し、解決すれば英語は苦手でなくなる生徒が多いです。
実際多数の生徒が、英語の苦手意識を克服し、英語ができるようになっています。
①暗記が苦手だと思っている
1つ目の共通点は暗記が苦手だと思っていることです。
学校のテストでは、実際に英語の文章を書く必要があります。
そのため、いくら文法が分かっていても英単語が書けないと点数が取れません。
そして、英単語などが覚えられていない理由を、暗記が苦手だと思っているお子さまが非常に多いです。
これは他の教科にも言えます。
暗記が苦手だと思っているお子さまのほとんどは、練習量が少ないことが原因です。
一回二回練習して覚えられないことを、苦手だと思っている場合が多いです。
日本語ならまだ母国語なのでなじみやすいですが、英語は日常で触れる機会も少ない中、すぐに覚えられなくて当然です。
暗記が苦手だと思っているお子さまでも、好きなことだとすぐに覚えられるはずです。
暗記の仕方にはコツがあります。
なかなか覚えられない大きな原因は、やり方やコツを知らないことはもちろん、暗記が苦手と思っていることと、練習量が圧倒的に足りていないことです。
私自身の経験
私自身も英語が苦手、暗記が苦手と思っていました。
実際、中学2年生になるまで「student」も書けませんでした。
中学1年生の終わりの成績も数学だけ4であとはオール3。
そして、中学1年生の春休みから勉強し始めました。
私は集団行動が苦手なので塾には行きませんでした。
母と2人三脚で勉強をスタートしました。
始めは覚えてもすぐ忘れてしまいました。
10個の単語を覚えるのに1時間以上もかかりました。
そして、1時間以上かかって覚えた単語も次の日にはきれいに忘れていました。
しかし、あきらめずに練習を続けることでだんだん覚えられるようになり、中学2年生の最後には成績も数学が5であとはオール4になり、中学3年生の時には副教科を含めて全教科オール5を取ることができました。
私のように暗記が苦手でも、暗記はできるようになります。
暗記は技術です。
練習すればだれでも伸ばすことができます。
暗記のコツ
暗記のコツは2つあります。
①テストをしながら覚える。
②繰り返しテストする。
テストをしながら覚える。
英単語を覚える時に、ひたすら書いて覚えていませんか。
書くことは大切ですが、自分でテストをしながら覚えると効果的です。
具体的には、「英単語を書く→書いた英単語を隠し、もう一度英単語を書く」の手順で練習します。
書き続けるのではなく、書いたものを隠して、見なくても書けるかテストしているように練習していきます。
このようにするだけでも暗記のしやすさは変わります。
また、どの教科でも音読をしながら書くと効果が高まります。
テストをする個数を増やしていく
「10個覚えて、10個テストをする。また新しい10個を覚えて、10個テストをする」このようにテストをしていませんか。
この方法でテストをすると、暗記の容量を増やすことができません。
「10個覚えて、10個テストをする。また新しい10個を覚えて、始めの10個と合わせて20個テストをする」このようにテストをしてみて下さい。
そして、30個、40個とどんどん増やしてください。
どんどん増やしてくと、どこかのタイミングで覚えた単語の間違いが増えてきます。
間違え出したタイミングが、今の自分の暗記の容量です。
そこで、覚えられるまでしっかり暗記することで、暗記の容量を増やすことができます。
何度か100~200をまとめてテストしても間違わないようになれば、暗記の容量が増えてきているので、一度にテストする単語量を減らしてもかまいません。
必ず、何度かは100~200をまとめてテストする練習をして下さい。
始めは大変ですが、これができるようになれば暗記力はかなり身に付くので、それ以降の勉強の効率は格段に上がります。
②日本語の理解力不足
2つ目の共通点は日本語の文法や表現が理解できてないことです。
英文法が理解できない大きな原因のひとつは、日本語の文法や表現が理解できていないことです。
たとえば現在進行形を日本語で表わすと「~している」ですが、英語の現在進行形が理解できていないお子さまの多くは、日本語の「~している」と「~する」の違いが分かっていません。
その場合に英語の進行形の説明をしてもほとんど効果はありません。
まずは日本語での進行形の意味を理解することで、英語の進行形の意味が理解できてきます。
英語の理解には日本語の理解が重要です。
ある生徒の例
塾に通って来て下さっている中学2年生のある生徒がいます。
その生徒は小学校に上がるまでの3年間インターナショナルプリスクールに通っていました。
そして、小学校6年間、週1回、ネイティブの講師とマンツーマンレッスンを受けていました。
これだけの取り組みをしていれば、英語が得意になるように思います。
しかし、塾に来る中学1年生の2学期期末定期テストでは、英語も含め全教科平均点以下でした。
その生徒の成績が取れない原因は、日本語の理解力不足でした。
会話をしていていても、時々、的外れな答えをするときもありました。
その後、その生徒は一緒に勉強に取り組む中で、日本語の理解力が上がってくるのと並行して、テストの点数も上がり、各教科70点前後を取れるようになって来ました。
80点以上を取るのも、あともう少しのところまできています。
日本語の理解力を伸ばすことで、英語を含めた全教科を伸ばすことができます。
英語の理解力は、日本語の理解力に比例します。
日本語の理解力を伸ばす方法
日本語の理解力を伸ばすには、まず文章を読むことについて理解する必要があります。
文章を読む場合に文字だけを読んでいる場合と、考えながら読んでいる場合があります。
考えて読む癖をつけることで日本語の理解力を伸ばすことができます。
英語育児をするときは、日本語にも力を入れる
昨今、英語育児が年々盛んになってきているように感じます。
書くいう私も英語育児に取り組んでいます。
子どもをバイリンガルに育てたいと思う方も多いのではないでしょうか。
しかし、脳科学分野での調査で、ネイティブと同じように2カ国語を扱えるためには、両親のどちらかが英語ネイティブである必要があるという結果があります。
両親ともに日本人だが、英語圏で生まれ育った人たちで、流暢に英語が話せたとしても、脳の活動領域をみると両親のどちらかが英語ネイティブである人たちの脳の活動領域とは異なるそうです。
つまり脳科学的に効果的な早期学習は、生まれる前から必要であるということです。
日本に生まれ、日本人の間に生まれた以上完全なバイリンガルにはなれません。
ただ、バイリンガルのように流暢に話せるようになることはできます。
そうなるために、早期学習にこだわる必要はないということです。
いつからでもバイリンガルのように流暢に話せるようになることはできます。
ただし、発音については諸説あります。
日本で生まれ、日本人の間に生まれた場合、英語はしっかりとした日本語の理解力があってこそ伸ばすことができます。
英語育児をするためには、十分な日本語の理解力を同時に養っていく必要があります。
最後に
英語が苦手だと思っている方は、この2つのどちらが原因の場合がほとんどです。
英語ができないから英語の問題集をするだけでは、英語ができるようにならない場合があります。
まずは、自分の英語が苦手な理由を把握しましょう。
原因が分かれば、対策を取ることができます。